Monthly Archive: 9月 2009

フィンランドへ滞在していた

少し前ですが、8/23-30 の 1 週間、サービス科学のサマースクール「SEM 2009」に参加するため、フィンランドのヘルシンキ工科大学に滞在していました。
20090828181713.jpg
ヘルシンキ工科大学 Main Building の裏の庭で

<サービス科学とは>

サービスや商品の開発、技術経営 (MOT) などの世界では、「サービスを提供する側」 または 「サービスを受ける側」 といった、「サービス」 に着目した考え方が、ヨーロッパ諸国では非常に進んでいますが、日本ではほとんど定着していません
たとえば、非接触 IC カードを使った決済には、Edy や iD, Suica の他、PASMO, Visa Touch, 関西では ICOCA などと多くのサービスが乱立して無意味に過剰な競争を行っていますが、結果として使える店舗が限られ、それぞれのサービスの契約をしないといけないため、サービスとしては不便です。
携帯電話は最たる例で、国内メーカー (パナソニック、シャープ、NEC、富士通 など) の過剰な競争によって、技術的には先進的であっても本当に便利なのかよく分からない機能 (赤外線通信、QRコード、iコンシェル、ワンセグ、おサイフケータイなど) が強化されました。
特に、国内では有用な機能でも、海外では、習慣や価値観などから必要とされていない機能であったり、特許や法的な都合で使うことのできない機能であったりで、海外では日本製の携帯電話端末が全く売られていない状況にあります。
そんな中、iPhone をはじめとするスマートフォンの台頭によって、欧米やアジア諸国製品の進出を許しています。いずれは、日本の携帯端末市場が海外の製品によって食い荒らされるシナリオも容易に想像できます。
このような現象を、独自の生態系を守りながら進化を繰り返した結果、外の世界へ適応できなくなり、絶滅への道を辿るガラパゴス諸島のイグアナに例えて、ガラパゴス化 と呼ばれたりします。
ここで、サービス志向の考え方を導入することで、より良いサービスが提供できるのではないか、ということで、大学院の研究の関係で偶然、「テスト」というサービスを運営していることもあり、参加するに至りました。

<講義や感想など>

サマースクールでは、午前中は大学の先生と企業からの講師による講義で、午後はグループディスカッションといったスタイルです。
午前中の講義は、スライドが用意されていることもあって難なく理解できました。
午後は会話が中心です。英語圏の Ph.D. の学生が多くいたこともあり、知らない専門用語を早口で話すため、理解するのが困難でした。中には貴重な発言も多く、これを聞き逃したことは非常に大きな損失だったと考えています。

<結論>

1 週間を通して多くの事を感じましたが、ざっくりと 2 点にまとめるとこんな感じです。
・国内の市場や価値観にとらわれず、視野を広げる
日本国内だけでなく、世界共通の考え方を持つことが重要であると、痛く感じました。
・英語で障害なくコミュニケーション出来るようにする
多くの日本人はスピーキングやライティングが非常に苦手です。言語の壁がより一層日本をガラパゴス化しているのかも知れません。

<写真など>

20090825083306.jpg
授業の風景
20090823222008.jpg
ヘルシンキ中央駅にて
hiratake55’s fotolife – タグ「Helsinki」
他の写真もはてなフォトライフにアップしていますのでどうぞ。余った時間に市内を散策しましたが、決して観光ではありませんので。